Codexのモデル選択と切り替え方法|使い分けの目安
先に結論: Codexのモデルは
/modelコマンド・config.toml・起動時のコマンドラインフラグの3通りで切り替えられ、優先度はフラグが最も高くなります。reasoning effortはminimalからxhighまで調整でき、上げるほど処理時間も延びます。
Codexは、タスクの内容に応じて裏側で動くモデルを選べます。この記事では、選択できるモデルの種類と既定モデル、/modelコマンド・config.toml・起動フラグでの切り替え方法、reasoning effort(推論の深さ)の調整、速さ・精度・コストを踏まえた使い分けの目安をまとめて解説します。
この記事の要点
- Codexは既定でgpt-5.1-codex系モデルが選ばれ、
/modelコマンド・config.toml・起動フラグで切り替えられます。- 上位モデルのgpt-5.1-codex-maxは長い文脈と深い推論に対応し、複雑な設計判断に向きます。
- gpt-5.3-codex-sparkは毎秒1,000トークン超の超高速モデルで、2026年8月時点ではChatGPT Pro向け研究プレビューです。
- GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaは2026年7月9日に一般提供が始まり、Codexでは無料・GoプランはTerraのみ、Plus・Pro・Business・EnterpriseはSol・Terra・Lunaを選べます(2026年8月時点)。2026年7月30日にはTerra・LunaのAPI料金がそれぞれ約20%・約80%引き下げられました。
- reasoning effortは
minimalからxhighまで調整でき、上げるほど精度は高まりますが処理時間も長くなります。
前提・動作環境
この記事はCodex CLIを導入済みであることを前提に解説します。導入やサインインの手順は「Codexの使い方完全ガイド」で解説しているので、未導入の方はあわせてご覧ください。
選択できるモデルの名称やラインナップは更新が速く、頻繁に追加・世代交代が行われます。本記事は2026年8月時点の情報のため、手元の表示と異なる場合は公式サイト(developers.openai.com/codex)で確認してください。
Codexで使えるモデルの種類と既定モデル
Codexでは、コーディングエージェント用途に最適化された「codex系」のモデルと、汎用の対話モデルの両方を選択できます。代表的なラインナップは次のとおりです。
- gpt-5.1-codex: 対話的なコーディング向けに調整された標準モデルです。速度と精度のバランスが良く、日常的な実装・調査タスクの中心になります。
- gpt-5.1-codex-max: 長い文脈と深い推論に対応する上位モデルです。複雑な設計判断や大規模な変更に向きます。
- gpt-5.3-codex: gpt-5.1-codex系の後継モデルです。世代交代が進むため、選択肢への表示を事前に確認しておくとよいでしょう。
- gpt-5.1(汎用モデル): codex特化ではない汎用モデルで、レビュー用プロファイルなど軽量な用途に指定されることもあります。
- gpt-5.3-codex-spark: 2026年2月にOpenAIとCerebrasの協業で登場した超高速モデルです。専用ハードウェアで毎秒1,000トークン超で応答し、コンテキスト長128k・テキスト専用です。2026年8月時点ではChatGPT Pro向け研究プレビューとして、Codexアプリ(ChatGPTデスクトップアプリ内、2026年7月統合)・CLI・IDE拡張で提供されています。
- GPT-5.6 Sol・Terra・Luna: GPT-5.4系の後継として2026年7月9日に一般提供された新モデル群です。Solは最も深い推論に対応するフラグシップ、Terraはバランス型、Lunaは高速・低コスト型です。無料・Goプランで選べるのはTerraのみで、Plus・Pro・Business・EnterpriseではSol・Terra・Lunaを選べます(2026年8月時点)。2026年7月30日にはTerra・LunaのAPI料金が約20%・約80%引き下げられました。詳しくは「GPT-5.6移行ガイド」で解説しています。
なお、2026年8月にOpenAIがXで発表した「ChatGPT ChatではPlus・ProがGPT-5.6 Sol、無料・GoはLunaでテキストチャット無制限」はChatGPTのChat機能限定の変更で、OpenAI公式発表によればWorkとCodexのSolは対象外、上記のプラン別モデル構成に影響しません。
SNS上でCodexも再編されたように語られることがありますが、2026年8月時点で対応関係は変わっていません。
Codex CLIやIDE拡張を素の設定のまま起動すると既定でgpt-5.1-codex系のモデルが選ばれます。既定モデルもアップデートで切り替わるため、正確な現在値は起動時の表示や/statusで確認してください。
gpt-5.3-codex-sparkは、圧倒的な速度の一方で指示を深く咀嚼せず先走って行動し、同じ修正パターンを繰り返すことがあるという評価も海外レビューで見られます。複雑な設計判断や慎重な検証が必要なタスクには不向きで、下記のとおり上位モデルとの使い分けが重要です。
モデルの切り替え方法
モデルの切り替え方法は3つあります。
1. /modelコマンド(対話セッション中)
セッション中にいつでも実行でき、選択肢が表示されます。
/model
一覧からモデルを選ぶと、以降のやり取りは選んだモデルに切り替わります。生成中の応答には反映されず、次の応答から適用されます。
2. config.tomlでの既定値指定
毎回選び直すのが手間な場合は、設定ファイルに既定のモデルを書いておけます。書式は「config.tomlの設定方法」で解説しています。
model = "gpt-5.1-codex"
model_provider = "openai"
3. 起動時のコマンドラインフラグ
一時的に別のモデルで起動したいときは、起動コマンドにフラグを付けます。
codex --model gpt-5.1-codex-max
短縮形の-mが使える場合もあります。フラグでの指定はconfig.tomlの既定値より優先されるため、普段使いのモデルは設定ファイルにまとめ、特定タスクだけ一時的にフラグで切り替える運用がおすすめです。
reasoning effort(推論の深さ)の調整
モデルとあわせて調整できるのがreasoning effort(推論にかける努力の度合い)です。/model実行時にモデルと一緒に選択できるほか、config.tomlではmodel_reasoning_effortで指定します。
model_reasoning_effort = "medium"
指定できる値はminimalからxhighまで段階的に用意され、値を上げるほど応答の精度は高まりますが処理時間も長くなります。簡単な確認作業には低めの設定、設計の妥当性を慎重に検討したいタスクには高めの設定、というように使い分けます。
使い分けの目安(速さ・精度・コスト)
モデルとreasoning effortの組み合わせは、次のような目安で選ぶとバランスを取りやすくなります。
- 速さ優先: 軽量なコーディングモデル(gpt-5.1-codexなど)+ reasoning effortを
low〜minimal。単純なリファクタリングや調査に向きます。 - 超高速・反復修正優先: gpt-5.3-codex-sparkのような超高速モデル。UIの微調整など反復修正に向きますが、2026年8月時点では提供対象がChatGPT Proの研究プレビューに限られます。
- 精度優先: 上位モデル(gpt-5.1-codex-maxなど)+ reasoning effortを
high〜xhigh。複雑な設計変更やバグの原因調査など、じっくり考えさせたい場面向けです。 - コスト優先: 上位モデルや高いreasoning effortは処理時間・利用量が増えやすく、API従量課金では費用にも直結します。日常作業は標準モデル・標準設定を基本にし、必要な場面だけ一時的に引き上げるのが無難です。2026年7月30日にはGPT-5.6 Terra・LunaのAPI料金が引き下げられており、コストを抑えたい場合はこの2モデルを軸にするのも一案です。詳しい料金は「Codexの料金体系」を参照してください。
海外コミュニティでは、「複雑なタスクの計画立案はGPT-5.6 Solに任せ、方針が固まったら実装は安価なGPT-5.6 Lunaに任せる」という2段階の使い分けが、コストを抑えつつ精度を落としにくい実践知として紹介されています。利用者が実践している運用の一例であり、公式推奨の手順ではない点には留意してください。
プラン・APIでの利用可否の違い
利用できるモデルの範囲は、ChatGPTのプランに紐づくログインか、APIキーでの利用かによって異なります。ChatGPTプランでは契約プランごとに使えるモデルや利用量の上限が設定され、APIキーの場合は従量課金でモデルごとの単価が異なります。
詳しくは「Codexの使い方完全ガイド」でも整理しています。提供状況もモデルの世代交代にあわせて変わりやすいため、正確な対応表は公式サイトで確認してください。
つまずきポイント/よくあるエラー
- モデル名を打ち間違えて起動できない:
--modelフラグやconfig.tomlのmodelにタイポがあると、モデルが見つからないエラーになります。/modelの一覧に表示される正式名称をコピーすると安全です。 - プランで使えないモデルを指定してしまう: 契約プランやAPIキーの権限によっては選択肢に出てこない、または指定してもエラーになるモデルがあります。
- reasoning effortを上げすぎて応答が遅い: 精度を求めて
xhighのまま単純な作業を続けると、待ち時間ばかり増えます。タスクの難易度にあわせて都度見直しましょう。 - 切り替えたつもりが反映されていない:
/modelの変更は次の応答から有効になります。生成中の応答が古い設定のまま返ってきても異常ではありません。
よくある質問
モデルを切り替えると会話履歴は保持されますか?
はい、保持されます。/modelでモデルを切り替えても同じセッション内の会話は続き、それまでのやり取りを踏まえて応答が返ってきます。
config.tomlと起動フラグ、どちらの指定が優先されますか?
起動フラグが優先されます。config.tomlのmodelはあくまで既定値で、codex --modelのようにフラグを指定するとそのセッションではフラグ側の値が使われます。設定の全体像は「config.tomlの設定方法」を参照してください。
reasoning effortを高くすると必ず良い結果になりますか?
そうとは限りません。単純なタスクではminimalやlowでも十分な精度が出ることが多く、無駄に高い設定にすると処理時間だけが延びます。タスクの複雑さに応じて段階的に調整するのが基本です。
まとめ
Codexでは、gpt-5.1-codexを中心としたcodex系モデルと汎用モデルを、/modelコマンド・config.toml・起動フラグの3通りで切り替えられます。
reasoning effortをあわせて調整すれば、速さ・精度・コストのバランスをタスクごとに細かくコントロールできます。モデルのラインナップは更新が速いため、内容と手元の表示が異なる場合は公式サイトで確認してください。
基本操作は「Codex CLIの使い方」、Codex全体の使い方は「Codexの使い方完全ガイド」もあわせてご覧ください。
Claude Codeのモデル使い分けは「Opus 5とSonnet 5の使い分け」で解説しています。