Codexのモデル選択と切り替え方法|使い分けの目安
先に結論: Codexのモデルは
/modelコマンド・config.toml・起動時のコマンドラインフラグの3通りで切り替えられ、優先度はフラグが最も高くなります。reasoning effortはminimalからxhighまで調整でき、上げるほど処理時間も延びます。
Codexは、タスクの内容に応じて裏側で動くモデルを選べます。
この記事では、選択できるモデルの種類と既定モデル、/modelコマンド・config.toml・起動フラグでの切り替え方法、reasoning effort(推論の深さ)の調整、速さ・精度・コストを踏まえた使い分けの目安をまとめて解説します。
この記事の要点
- 2026年9月時点のCodexの主力はGPT-5.6 Sol・Terra・Luna(2026年7月9日一般提供)で、推奨の既定モデルは
gpt-5.6-terraです。/modelコマンド・config.toml・起動フラグで切り替えられます。- 2026年9月3日にGPT-6 Astra(
gpt-6-astra)がリリースされ、段階展開中です。クレジット消費はGPT-5.6 Solの2.5倍で、推論強度はlow〜max(noneは非対応)です。- Solは最も深い推論に対応するフラグシップ、Terraはバランス型、Lunaは高速・低コスト型です。無料・GoプランはTerraのみ、Plus・Pro・Business・EnterpriseはSol・Terra・Lunaを選べます。
- 旧世代のGPT-5.4系は、ChatGPTサインイン環境では2026年8月31日に提供が終了しました(APIキー経由は対象外)。gpt-5.1-codex系も既定モデルではなくなっています。
- gpt-5.3-codex-sparkは毎秒1,000トークン超の超高速モデルで、2026年9月時点ではChatGPT Pro向け研究プレビューです。2026年7月30日にはTerra・LunaのAPI料金がそれぞれ約20%・約80%引き下げられました。
- reasoning effortは
minimalからxhighまで調整でき、上げるほど精度は高まりますが処理時間も長くなります。
前提・動作環境
この記事はCodex CLIを導入済みであることを前提に解説します。導入やサインインの手順は「Codexの使い方完全ガイド」で解説しているので、未導入の方はあわせてご覧ください。
選択できるモデルの名称やラインナップは更新が速く、頻繁に追加・世代交代が行われます。
本記事は2026年9月時点の情報のため、手元の表示と異なる場合は公式サイト(developers.openai.com/codex)で確認してください。
Codexで使えるモデルの種類と既定モデル
Codexでは、コーディングエージェント用途に最適化された「codex系」のモデルと、汎用の対話モデルの両方を選択できます。代表的なラインナップは次のとおりです。
- GPT-6 Astra(2026年9月3日リリース): OpenAIの最上位モデルで、Codexでもモデルスラッグ
gpt-6-astraとして提供が始まりました。ChatGPT Plus・Pro・Business・Enterpriseへ段階展開中で、PlusはChat内では使えませんがWork・Codexでは対象です(Enterpriseは管理者が有効化するまで既定オフ)。推論強度はlow・medium・high・xhigh・maxの5段階で、noneは非対応です。Codex/Workのクレジット消費はGPT-5.6 Solの2.5倍(Fast mode併用でさらに2.5倍)のため、常用ではなく重いタスク向けの選択肢と考えるのが無難です。設定・使用量・新しいノート保持機能は「Codex GPT-6 Astra対応ガイド」で解説しています。 - GPT-5.6 Sol・Terra・Luna(主力): GPT-5.4系の後継として2026年7月9日に一般提供された新モデル群です。Solは最も深い推論に対応するフラグシップ、Terraは速度と精度のバランス型で日常的な実装・調査の中心、Lunaは高速・低コスト型です。無料・Goプランで選べるのはTerraのみで、Plus・Pro・Business・EnterpriseではSol・Terra・Lunaを選べます(2026年9月時点)。2026年7月30日にはTerra・LunaのAPI料金が約20%・約80%引き下げられました。詳しくは「GPT-5.6移行ガイド」で解説しています。
- gpt-5.3-codex: コーディングエージェント用途に特化したcodex系モデルです。APIキー経由の利用では入力$1.75・出力$14.00(100万トークンあたり・2026年9月時点)で、GitHub Copilotなど他のツールからも選べます。
- gpt-5.3-codex-spark: 2026年2月にOpenAIとCerebrasの協業で登場した超高速モデルです。専用ハードウェアで毎秒1,000トークン超で応答し、コンテキスト長128k・テキスト専用です。2026年9月時点ではChatGPT Pro向け研究プレビューとして、Codexアプリ(ChatGPTデスクトップアプリ内、2026年7月統合)・CLI・IDE拡張で提供されています。
- 旧世代(GPT-5.4系・gpt-5.1-codex系): GPT-5.4系は、ChatGPTサインイン環境では2026年8月31日に提供が終了しました(APIキー経由は引き続き利用可)。gpt-5.1-codex・gpt-5.1-codex-maxもかつての標準・上位モデルでしたが、現在は既定ではありません。config.tomlやスクリプトで旧モデル名を固定している場合は、GPT-5.6系の名前に書き換えてください。
なお、2026年8月にOpenAIがXで発表した「ChatGPT ChatではPlus・ProがGPT-5.6 Sol、無料・GoはLunaでテキストチャット無制限」はChatGPTのChat機能限定の変更で、OpenAI公式発表によればWorkとCodexのSolは対象外、上記のプラン別モデル構成に影響しません。
SNS上でCodexも再編されたように語られることがありますが、2026年9月時点で対応関係は変わっていません。
Codex CLIやIDE拡張を素の設定のまま起動すると、2026年9月時点ではGPT-5.6 Terraが既定として選ばれます。既定モデルはアップデートで切り替わるため、正確な現在値は起動時の表示や/statusで確認してください。
gpt-5.3-codex-sparkは、圧倒的な速度の一方で指示を深く咀嚼せず先走って行動し、同じ修正パターンを繰り返すことがあるという評価も海外レビューで見られます。
複雑な設計判断や慎重な検証が必要なタスクには不向きで、下記のとおり上位モデルとの使い分けが重要です。
モデルの切り替え方法
モデルの切り替え方法は3つあります。
1. /modelコマンド(対話セッション中)
セッション中にいつでも実行でき、選択肢が表示されます。
/model
一覧からモデルを選ぶと、以降のやり取りは選んだモデルに切り替わります。生成中の応答には反映されず、次の応答から適用されます。
2. config.tomlでの既定値指定
毎回選び直すのが手間な場合は、設定ファイルに既定のモデルを書いておけます。書式は「config.tomlの設定方法」で解説しています。
model = "gpt-5.6-terra"
model_provider = "openai"
3. 起動時のコマンドラインフラグ
一時的に別のモデルで起動したいときは、起動コマンドにフラグを付けます。
codex --model gpt-5.6-sol
短縮形の-mが使える場合もあります。フラグでの指定はconfig.tomlの既定値より優先されるため、普段使いのモデルは設定ファイルにまとめ、特定タスクだけ一時的にフラグで切り替える運用がおすすめです。
reasoning effort(推論の深さ)の調整
モデルとあわせて調整できるのがreasoning effort(推論にかける努力の度合い)です。/model実行時にモデルと一緒に選択できるほか、config.tomlではmodel_reasoning_effortで指定します。
model_reasoning_effort = "medium"
指定できる値はminimalからxhighまで段階的に用意され、値を上げるほど応答の精度は高まりますが処理時間も長くなります。簡単な確認作業には低めの設定、設計の妥当性を慎重に検討したいタスクには高めの設定、というように使い分けます。
使い分けの目安(速さ・精度・コスト)
モデルとreasoning effortの組み合わせは、次のような目安で選ぶとバランスを取りやすくなります。
- 速さ優先: 高速・低コスト型のGPT-5.6 Luna + reasoning effortを
low〜minimal。単純なリファクタリングや調査に向きます。 - 超高速・反復修正優先: gpt-5.3-codex-sparkのような超高速モデル。UIの微調整など反復修正に向きますが、2026年9月時点では提供対象がChatGPT Proの研究プレビューに限られます。
- 精度優先: フラグシップのGPT-5.6 Sol + reasoning effortを
high〜xhigh。複雑な設計変更やバグの原因調査など、じっくり考えさせたい場面向けです。 - コスト優先: 上位モデルや高いreasoning effortは処理時間・利用量が増えやすく、API従量課金では費用にも直結します。サブスク利用でも、Solを高いreasoning effortで重いタスクに使うと1プロンプトで5時間枠の大半を消費することがあります。日常作業はTerra・標準設定を基本にし、必要な場面だけ一時的に引き上げるのが無難です。2026年7月30日にはGPT-5.6 Terra・LunaのAPI料金が引き下げられており、コストを抑えたい場合はこの2モデルを軸にするのも一案です。詳しい料金は「Codexの料金体系」、上限に達したときの対処は「Codexの429エラー・使用量上限の対処法」を参照してください。
海外コミュニティでは、「複雑なタスクの計画立案はGPT-5.6 Solに任せ、方針が固まったら実装は安価なGPT-5.6 Lunaに任せる」という2段階の使い分けが、コストを抑えつつ精度を落としにくい実践知として紹介されています。
利用者が実践している運用の一例であり、公式推奨の手順ではない点には留意してください。
プラン・APIでの利用可否の違い
利用できるモデルの範囲は、ChatGPTのプランに紐づくログインか、APIキーでの利用かによって異なります。ChatGPTプランでは契約プランごとに使えるモデルや利用量の上限が設定され、APIキーの場合は従量課金でモデルごとの単価が異なります。
詳しくは「Codexの使い方完全ガイド」でも整理しています。提供状況もモデルの世代交代にあわせて変わりやすいため、正確な対応表は公式サイトで確認してください。
つまずきポイント/よくあるエラー
異常ではありません。/modelの変更は次の応答から有効になる仕様なので、生成中だった応答にはまだ反映されないだけです。
- モデル名を打ち間違えて起動できない:
--modelフラグやconfig.tomlのmodelにタイポがあると、モデルが見つからないエラーになります。/modelの一覧に表示される正式名称をコピーすると安全です。 - プランで使えないモデルを指定してしまう: 契約プランやAPIキーの権限によっては選択肢に出てこない、または指定してもエラーになるモデルがあります。
- reasoning effortを上げすぎて応答が遅い: 精度を求めて
xhighのまま単純な作業を続けると、待ち時間ばかり増えます。タスクの難易度にあわせて都度見直しましょう。 - 切り替えたつもりが反映されていない:
/modelの変更は次の応答から有効になります。生成中の応答が古い設定のまま返ってきても異常ではありません。
よくある質問
モデルを切り替えると会話履歴は保持されますか?
はい、保持されます。/modelでモデルを切り替えても同じセッション内の会話は続き、それまでのやり取りを踏まえて応答が返ってきます。
config.tomlと起動フラグ、どちらの指定が優先されますか?
起動フラグが優先されます。config.tomlのmodelはあくまで既定値で、codex --modelのようにフラグを指定するとそのセッションではフラグ側の値が使われます。
設定の全体像は「config.tomlの設定方法」を参照してください。
reasoning effortを高くすると必ず良い結果になりますか?
そうとは限りません。単純なタスクではminimalやlowでも十分な精度が出ることが多く、無駄に高い設定にすると処理時間だけが延びます。
タスクの複雑さに応じて段階的に調整するのが基本です。
GPT-6 ProはGPT-6 Astraの推論設定のひとつですか、それとも別モデルですか?
別モデルではありません。公式ヘルプは、Chat画面ではGPT-6 Astraが「難しいタスクや長時間の作業向けのPro-effort option」として提供され、その呼び名が「GPT-6 Pro」だと説明しています。GPT-6 ProはAstraそのものをChat画面で扱う際の名称で、Astraと別系統のモデルではありません。
なお呼称は公式ページ間で割れており、ブログ本文は「GPT-6 Astra Pro」、ヘルプ記事は「GPT-6 Pro」としています(help.openai.com、2026年9月時点)。Codex側のモデルスラッグはgpt-6-astraのみで、Pro専用の別スラッグは公式の公開情報では明示されていません(2026年9月時点)。
GPT-5.6 SolとGPT-5.6 Proの違いは何ですか?
公式ヘルプが説明する「GPT-5.6 Sol Pro」は、ChatGPT Pro・Business・Enterpriseプランのチャット画面で提供される上限枠の呼称です。たとえばPro $200プランでは、GPT-6 Proが週200メッセージ、GPT-5.6 Sol Proが別枠で日170メッセージ(両モデル合算で日200件が上限)とされています(help.openai.com、2026年9月時点)。
一方、Codex CLI・IDE拡張で/modelから選べる「Sol」がこのChat側の枠と同じものなのか、Codex向けに別枠が用意されているのかは、公式の公開情報では明示されていません(2026年9月時点)。CodexとChatで上限の仕組みが異なる可能性があるため、正確な残量は/statusで確認するのが確実です。
ハブネコのひとこと
reasoning effortは上げれば安心というわけではなく、単純な作業では`xhigh`にしても待ち時間が延びるだけのことがあります。タスクの難易度を見ながら段階的に調整する感覚を持てると使いこなしやすくなります。
まとめ
Codexでは、GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaを中心としたモデル群を、/modelコマンド・config.toml・起動フラグの3通りで切り替えられます。
reasoning effortをあわせて調整すれば、速さ・精度・コストのバランスをタスクごとに細かくコントロールできます。モデルのラインナップは更新が速いため、内容と手元の表示が異なる場合は公式サイトで確認してください。
基本操作は「Codex CLIの使い方」、Codex全体の使い方は「Codexの使い方完全ガイド」もあわせてご覧ください。
Claude Codeのモデル使い分けは「Opus 5とSonnet 5の使い分け」で解説しています。
/modelでモデルを切り替えたはずなのに、さっき生成中だった返答が古いモデルのままで、設定が効いてないのかと焦りました…。